新着情報

*小社からの最新のお知らせは、小社ブログにてお知らせします
2014/04/13
『イタリアの協同組合』を追加しました
2014/03/09
『原発は滅びゆく恐竜である』『この身が灰になるまで』を追加しました
2013/12/26
『世界の環境問題 第9巻 中東・アフリカ』『原発の底で働いて』を追加しました
2013/12/14
『四十年パリに生きる』『なぜ遺伝子組み換え作物に反対なのか』を追加しました
ツイッター始めました @ryokufucom フォローよろしくお願いします。
2013/11/17
『万人坑を訪ねる』を追加しました
2013/11/12
『原発大国とモナリザ』を追加しました
2013/10/25
『歴史物語り 私の反原発切抜帖』を追加しました
2013/09/10
『鉄の壁[第二版][下巻]』を追加しました
2013/09/05
『ポイントカードによる値引き販売に反対します/読者、書店、取次店、出版社の皆様へ』『いま出版社に求められていること』『ポイントカードは読者・消費者の利益になるのでしょうか?』を追加しました
2013/09/02
『変貌する世界の緑の党』を追加しました
2013/08/29
『遺伝子組み換え食品入門』を追加しました
2013/07/17
『東大闘争と原発事故』『日本を壊す国土強靱化』を追加しました
2013/07/06
『危ないリニア新幹線』を追加しました
2013/06/08
『胎児と乳児の内部被ばく』『隠された携帯基地局公害』を追加しました
2013/06/04
『鉄の壁[第二版][上巻]』を追加しました
2013/05/01
『希望を捨てない市民政治』『一台の黒いピアノ…』を追加しました
2013/04/10
『虚構に基づくダム建設』『電磁波・化学物質過敏症対策[増補改訂版]』『アレルギーの人の家造り[増補改訂版]』を追加しました
2013/02/25
最新版図書目録(PDF)をダウンロードできるようにしました【こちら 4.4Mb/PDF】
『調査報道』を追加しました
2013/02/04
『環境教育とは何か』『性同一性障害と戸籍[増補改訂版]』を追加しました
2013/01/31
『コリンズとラインの微生物学実験法[第8版]』『チェルノブイリ人民法廷』『「解雇・退職」対策ガイド[三訂増補版]』を追加しました
2012/12/11
『どうする?放射能ごみ[増補改定新版]』を追加しました
2012/11/13
『「北方領土問題」読本』『なぜ即時原発廃止なのか』を追加しました
2012/10/23
『遺伝子操作時代の権利と自由』『どうなくす? 部落差別』を追加しました
2012/9/14
『世界の環境問題・第8巻』を追加しました
2012/8/23
『日産自動車の盛衰』を追加しました
2012/8/09
『原発問題の争点』を追加しました
2012/8/01
『前立腺がん予防法[改訂新版]』を追加しました
2012/7/10
『エネルギー倫理命法』『ダムとの闘い』『海の放射能汚染帯』『マイナンバーは監視の番号』『がれき処理・除染はこれでよいのか』『携帯電話でガンになる』を追加しました
2012/3/27
『放射性廃棄物』『それは6歳からだった』『終りのない惨劇』『脱原発の市民戦略』『世界が見た福島原発災害3』『高速増殖炉の恐怖[三訂増補版]』を追加しました
『脱原発の経済学』が3月4日付『サンデー毎日』サンデーらいぶらりぃ欄(評者:斎藤貴男氏)に掲載されました【画像を見る】
2011/12/28
『原発閉鎖が子どもを救う』を追加しました
2011/12/27
小社の年末・年始休業は2011年12月29日〜2012年1月4日までとなっております。この間にご注文いただきました直接購入書籍の発送は、1月6日以降となります。恐れ入りますがご理解のほどよろしくお願いします。
2011/12/26
最新版図書目録(PDF)をダウンロードできるようにしました【こちら 19.4Mb/PDF】
『チェルノブイリの惨事』『ドキュメント チェルノブイリ』が12月10日付『図書新聞』学術/思想欄に掲載されました【画像を見る】
2011/12/22
『世界が見た福島原発災害』他の著者・大沼安史さんが12月18日付『東京新聞』「こちら特報部」欄にでられています【画像を見る】
『脱原発の経済学』が11月25日付『週刊金曜日』本欄に掲載されました【画像を見る】
2011/12/20
『脱原発の経済学』が12月17日付『福島民友』読書欄に掲載されました【画像を見る】
『遺伝子組み換え企業の脅威[増補版]』『電磁波過敏症を治すには』を追加しました
2011/11/28
『朝日連峰の自然と保護』を追加しました
2011/11/14
『世界が見た福島原発災害2』『脱原発の経済学』『チェルノブイリと福島』を追加しました
2011/10/6
『放射線規制値のウソ』を追加しました
2011/10/3
『どう身を守る? 放射能汚染』『世界の環境問題─第7巻・中国』『喘息・花粉症・アトピーを絶つ』を追加しました
2011/8/3
小社の夏期休業は2011年8月13日(土)〜8月15日(月)までとなっております。この間にご注文いただきました直接購入書籍の発送は、8月17日(火)以降となります。恐れ入りますがご理解のほどよろしくお願いします。
プレスリリース「『メンタルヘルスの労働相談』刊行」を発行しました。
[ダウンロード/0.5Mb/PDF]
『メンタルヘルスの労働相談』『諜報ビジネス最前線』を追加しました
2011/7/18
プレスリリース「『東電の核惨事』刊行」を発行しました。
[ダウンロード/0.5Mb/PDF]
2011/7/11
『東電の核惨事』を追加しました
2011/6/3
プレスリリース「『世界が見た福島原発災害』刊行」を発行しました。
[ダウンロード/0.5Mb/PDF]
2011年度の新しい図書目録がダウンロードできます。
[ダウンロード/24.9Mb/PDF]
2011/5/20
『危ないオール電化住宅[増補改訂版]』『世界が見た福島原発災害』を追加しました
2011年度の常備リスト【こちら 0.56Mb/PDF】をダウンロードできるようにしました
5月の月例販促フライヤー【こちら 0.2Mb/PDF】をダウンロードできるようにしました
2011/4/28
「書店のみなさま」を整備・更新しました
2011/4/25
「【特集】今、「脱原発」を真剣に考える」を公開しました
2011/4/20
『よみがえれ!清流球磨川』『資本主義からの脱却』『低線量内部被曝の脅威一』を追加しました
2011/2/25
『性同一性障害って何?〔増補改訂版〕』配本日を修正しました
2011/2/16
最新出荷情報に『性同一性障害って何?〔増補改訂版〕』を追加しました
2011/1/25
最新出荷情報に『新・部落差別はなくなったか?』『記者クラブ』を追加しました
2010/12/29
小社の年末・年始休業は2010年12月30日〜2011年1月5日までとなっております。この間にご注文いただきました直接購入書籍の発送は、1月6日以降となります。恐れ入りますがご理解のほどよろしくお願いします。
最新版図書目録(PDF)をダウンロードできるようにしました【こちら 17.7Mb/PDF】
新刊出荷情報に『生命』『電磁波の何が問題か』『あなたの「町内会」総点検〔三訂増補版〕』を追加しました
2010/10/29
新刊出荷情報に『刑事事件お助けガイド』を追加しました
2010/10/04
世界の環境問題(既刊6巻)リーフレット(PDF)をダウンロードできるようにしました【こちら 3.5Mb/PDF】
2010/10/03
「書店のみなさま」「小社ブログ」新設しました
2010/09/10
リニューアルされたホームページを公開します
2010/08/13〜15
上記期間、小社夏期休業とさせていただきます
2010/08/02
ホームページのリニューアル作業を開始しました
1998/08/10
ホームページを開設しました

お知らせ


ポイントカードによる値引き販売に反対します
読者、書店、取次店、出版社の皆様へ

2013年8月28日
日本出版者協議会
会長 高須次郎

 学問芸術といった人間の知的創造物である著作物を書籍・雑誌・新聞などによって伝達していく行為は、一国の学問芸術、文化の普及ないしその水準の維持に欠かせないもので、多種多様な著作物が全国に広範に普及されることが求められています。しかも、それらは国民に均等に享受されるべきであり、離島・山間・僻地などを理由に価格差があったりしてはならず、全国どこでも同じ値段で知識や文化にアクセスできることが、民主社会の公正・公平な発展に役立つと考えられています。

 その意味で、再販売価格維持制度は、著作物の普及という文化的、公共的、教育的役割を実現していくのに適しているとされ、独禁法制定以前からこうした商慣習があったこともあり、著作物については例外的に許されています。そして著作物再販制度のもとに、出版社、取次店、書店は再販契約を結び、その遵守を約しています。

 この再販制度=定価販売によって、本の定価は物価の優等生といわれるほど他の物と比べて安定ないし下落し、いたずらな値引き競争による書店等の倒産廃業を防止してきました。また、返品可能な委託販売制度と相俟って、出版物の安定的な再生産を確保し、出版社はもとより取次店、書店がそれぞれの一定に利益幅が見通せることによって、多様な企画が形成される基盤を保障し、小資本でも出版社を立ち上げ、書店を開業出来る状態を維持してきました。このように本の再販制度は、出版物の多様性と読者の知へのアクセスを保障し、言論・表現の自由という私たちの社会のもっとも基本的な価値を守ってきたわけです。

 しかし今、この本の再販制度を内部から崩壊させかねない由々しき事態が進行しています。ポイントカード(ポイントサービス)問題です。「Amazon Student」プログラムの10%ポイント還元に象徴されるように、高率のポイント還元が出現し、いまやさまざまな書店でポイント合戦が展開されています。

 ポイントカードについて、公正取引委員会は、1999年12月28日の「著作物再販制度下における関係業界の流通・取引慣行改善等の取組状況について」で、「ポイントカードは実質的に値引きと同一の効果を有するもの」であるとし、また2001年3月26日には糸田省吾公正取引員も「実質的値引きで再販契約違反」と明言しています。

 そして、その「ポイントカードの提供が、再販価格維持行為について定めた事業者間の契約に反するかどうかについては、当該事業者間において判断されるべき問題である」(大脇雅子参議院議員の質問主意書に対する2001年7月31日付け小泉内閣総理大臣の答弁書)と答弁して、公取委は、最終的には再販販売価格維持行為の主体である出版社にその判断決定をまかせると指示しています。但し、1%といったお楽しみ程度のポイントカードを止めさせるのは、一般消費者の利益を不当に害する畏れがあるとしています。

 これを受け、出版協はポイントカードが再販契約に違反する値引きであることを表明し、再販契約を結んでいる書店がポイントカードを提供することは、他の再販契約を遵守している書店を一方的に不利な立場に追いこみ、契約を守り法規を守る「正直者が馬鹿をみる」結果となっているだけでなく、被害書店を廃業にまで追い込むものとして、この10年来、その中止を求めてきました。

 しかるに、ポイント合戦がさらに拡大すれば、書店経営はますます圧迫され、倒産廃業を加速化し、出版社に転嫁されるポイント原資は出版社の経営も圧迫するだけでなく、結局、カバープライスの値上げを招来し、読者は最終的に、高いものを買わされることになります。

 20年以上にわたる廃止反対運動によって、ようやく著作物再販制度の存続が確定したにも拘わらず、このような事態を放置すれば、本の再販制度は内部から崩壊してしまうことは必至です。

 読者の皆様には、出版物の再販制度の重要性とポイントサービスが本には相応しくないことをご理解いただきたいと思います。また、出版に関わるあらゆる現場で再販制度を遵守する取り組みがされるべきであり、とりわけ出版社は本の法定再販制度の主体として、ポイントサービスから自社商品の除外を求めるなど、自らの意志で創意工夫をしてポイントカードによる値引き販売に反対し、本の再販制度を守りましょう。


いま出版社に求められていること

出版協会長/緑風出版代表 高須次郎

 声明にあるように、ポイントカードによる値引きは、再販制度を内部から崩壊させるものとして、これ以上看過することはできない。

 出版協加盟社のうち51社は、8月7日までに、Amazon.com Int'l Sales, Inc.に対し、学生を対象に10%もの高率のポイントサービスを実施しているAmazon Studentプログラムから自社商品を1カ月以内に除外するよう求める申入書を送付し、8月20日までに回答するよう求めた。同時に、除外しない場合は、再販契約書の規定に従い、取次店に対し、同社への出版物の出荷を停止するよう指示することもある旨の警告をした。除外を求めた51社の点数は4万1740点、アマゾンデータベース約70万点の6パーセントにのぼる。

 出版協は、会員各社の要望に基づき、昨年10月以来、3度にわたってその中止を求めてきたが、同社が依然として同サービスを実施し続けているためである。

 私が代表を務める緑風出版は、8月21日、回答期限の8月20日付けアマゾンジャパン株式会社メディア事業部門長 渡部一文名義で「回答書」を受け取った。これによると「Amazon.co.jpサイト(以下「弊サイト」は、弊社の関連会社であるAmazon.com Int'l Sales, Inc.が運営管理しているものであり、弊社はAmazon.com Int'l Sales, Inc.の問い合わせ窓口として本書を送付しております)とした上で、「弊サイトといたしましては、再販売価格維持契約の当事者ではない貴社に対して何ら申し上げる立場にないことから、大変申し訳ございませんが貴社の申し入れに対する回答は控えさせて頂きたく存じます」として、回答を拒否してきた。

 小社は、この手紙に@代表者印や社印、自筆サインもないこと、AAmazon.com Int'l Sales, Inc.に対し回答を求めたのであって、アマゾンジャパン株式会社に回答を求めたのではないこと、を指摘した上で、

「小社は、日販および大阪屋と再販契約を締結し、前記取次2社は、Amazon.com Int'l Sales, Inc.と再販契約を締結していると取次店から回答を得ております。取次店は『出版業者と再販売価格維持契約書第三条に基づき』、小売業者と再販売価格維持契約を締結しているので、取次店を通じ再販契約を結んでいる小売店であるAmazon.com Int'l Sales, Inc.は、定価販売を遵守するなど、再販売価格維持行為の主体である出版社の指示に契約上従う義務があり、これに関連する質問等について回答するのは当然です。」

と述べ、9月5日までに改めて正式回答をする旨の手紙を8月27日付けでAmazon.com Int'l Sales, Inc.宛に送付した。

 同時に、取次店に対しても8月20日期限の回答が遅れているため、改めて期限を区切って督促している。

 この一連のやり取りをみても、グローバル企業としてのアマゾンは複雑な会社である。取次店は、米国にあるAmazon.com Int'l Sales, Inc.と取引契約ならびに再販売価格価格維持契約をして、Amazon.com Int'l Sales, Inc.の業務委託をしているアマゾンジャパン株式会社に納品・請求し代金の支払いを受けているという。読者は、アマゾンジャパン株式会社から本を送付してもらい、領収書はAmazon.com Int'l Sales, Inc.名義となる。アマゾン・ドット・コムが国税庁から追徴課税されても税金を払わずにすんだことは有名な話だが、税金に詳しい人の話だと次のようなこともあり得るという。

 つまりアマゾンジャパン株式会社は本をAmazon.com Int'l Sales, Inc.に輸出し、Amazon.com Int'l Sales, Inc.は日本の読者に輸出した形をとっているらしいのだ。そうするとアマゾンジャパン株式会社は、トヨタなど日本の輸出企業と同様に仕入れにともなう消費税を消費税の輸出還付金として還付を受けている可能性がある。またAmazon.com Int'l Sales, Inc.から日本の読者に売る場合は、税込み価格であるから、Amazon.com Int'l Sales, Inc.は米国で納税するという名目で消費税を日本に払わなくてすむ。これだけで9パーセント近い。こうしたことが原資になって値引きをされたら、紀伊國屋書店の高井昌史社長ではないが、「一般書店は競争にならない」ということになる。

 一般書店の営業利益が0.2%〜0.3%しかない現在、ポイント合戦に耐えられない書店は倒産・廃業するしかない。長期の出版不況で書店数は減り続け、ピークの2000年12月の2万3776店から倒産廃業が続き約4割減少し、2013年5月には1万4241店となってしまった。いくつもの有名なナショナルチェーンが経営危機になり、印刷資本や取次店の傘下になるほどである。

 再販売価格維持契約は、出版社が小売店に対し定価で販売してもらうために、取次店を通じて、出版社→取次店、取次店→小売店、という形で結んでいる。アマゾンジャパン株式会社がいうように、形式的には出版社は再販売価格維持契約の当事者ではないかもしれないが、この理屈は通るまい。取次店はアマゾンと再販契約を結んで「定価を厳守し、割り引きに類する行為をしない」(再販売価格維持契約書第3条)と約定しているからである。

 また、書店が再販契約に違反したときは、出版社の「指示」ないし「諒承」のもとに「乙(取次店)は丙(小売店)に対して警告し、違約金の請求、期限付の取引停止の措置をとることができる。」(同第5条)ことになっている。

 しかも、公取委は、再販契約違反であるかどうかは「出版社が判断し、その意を受け取次会社も対処できるということです」(野口文雄公取委取引企画課長見解「再販制度の適切な利用に当たっての留意点」、出版ニュース2005年1月下旬号より)との見解を示している。

 また、野口課長は「出版社が再販契約に基づいて言う場合であっても、自分の商品についてだけ止めてくれと言えるわけで、他社の商品についてまでは言えない。ポイントカードを実施しているところに対して、ポイントカードシステムを止めろとは言えないのであって、自社の商品は対象外とするようにと言えるということです。表示上から言うと、消費者向けにその旨を表示して貰うことになります」(同上)と述べている。つまり自社商品のポイントサービスからの除外要請については、出版社に許される行為であり、「消費者向けにその旨を表示して貰うことになります」というのは、Amazon.co.jpサイトにその旨の表示を求めることできるということである。野口課長は、現在公取委の審査局長で、独禁法の番人とも言える。出版協の除外申し入れ社は自らの意志で、この見解にそって順法・合法のやり方をとっている。

 アマゾンには、書店の売上のトップ企業として、再販契約のルール、業界ルールを守って、その社会的責任をはたしてもらいたい。そして同時に、アマゾンのポイントサービス=値引きだけが問題なのではない。再販制度を壊してしまうような値引きが問題なのである。

 出版業界は再販制度を守るために弾力運用をしなければと言ってきた、それが今日の事態を招いたともいえる。もう法定再販制の存続は確定したのである。再販制度を内部から崩してしまうような行為には毅然とした対応が必要だ。かつて書店がポイントサービスによる値引き反対に動いた時も、出版社はこれを見殺しにしてしまった。出版社は再販売価格維持の主体である。出版社が今度は動かなければならない。もし今回も手をこまぬくとすれば、本の再販制度は確実に内部崩壊しよう。そしてその責任は誰でもない。出版社自身にあるのだ。

 9月早々にはアマゾンの回答が出てこよう。回答次第では、出荷停止に踏み切ることになる。


ポイントカードは読者・消費者の利益になるのでしょうか?

一般社団法人 日本出版者協議会
東京都文京区本郷3-31-1 盛和ビル40B
TEL 03-6279-7103/FAX 03-6279-7104

 今はどんなところでも商品を買うとポイントカードがついてきます。貯まればあとで使えてちょっと得をした気分になります。もう少しで500円分となると、思わずそこで買い物をしたりしてしまいます。すごいのになると同じ店ですぐ使えるところもあります。
 でも私たちは本のポイントカードには反対なのです。読者・消費者のそんなささやかな楽しみに反対なんて、ちょっとおかしいんじゃないの? と言われそうですが、本については反対なのです。それはなぜか? 私たちの言い分も聞いてください。

 本や雑誌は、どうして定価販売なの? ずるくない?

 同じものなら東京でも札幌でも沖縄でも同じ定価。他の商品は、安売りありでいろいろな価格がついているのにおかしく思われるのもわかります。
 実は本や雑誌などは出版社が書店などに対し定価販売をさせること、つまり値引き販売をさせないことを独占禁止法(独禁法)の例外として許されているからです。再販売価格維持制度(再販制度)と呼ばれるこの制度は、メーカーが小売価格を決定・拘束できるため、縦のカルテルと呼ばれ、本来は消費者の利益にならないことが多いので、自由経済では原則違法とされています。しかし、文化的な配慮などから著作物についてだけ独禁法で例外的に認められています。公正取引委員会が認めている著作物は、他に新聞、レコード盤・音楽用テープ・音楽用CDがあります。出版社は取次店(問屋)を通じて書店と再販売価格維持契約を結んで、定価販売を行っています。

 どういう理由で許されているの?

 書籍・雑誌・新聞などの著作物は一国の学問芸術、文化の普及ないしその水準の維持に欠かせないもので、多種多様な著作物が全国的に広範に普及される必要があり、それらは均等に享受されるべきであり、離島・山間・僻地などを理由に価格差があったりしてはならないと考えられています。再販制度は、著作物の普及という文化的、公共的、教育的役割を実現していくのに適しているとされ、独禁法制定以前からこのような商慣習があったこともあり、例外的に許されているわけです。この再販制度により国民は、全国どこでも同じ値段で知識や文化を享受することが可能となり、民主社会の公正・公平な発展に役立つと考えられています。

 再販制度で本の値段を出版社が勝手に決められることで、本の値段が高くなっているってことはないの?

 そう思うのが普通ですね。ところが本は物価の優等生といわれるほど他の商品に比べとても安いのです。2012年現在新刊書籍の平均定価は2278円で1996年の2609円に比べて13%減、消費税を含めると16%減です(出版年鑑2013年版「新刊書籍30年間対比部門別平均定価」)。同じ年で公共料金をみますと、郵便はがきが41円から50円(+21%)、新幹線(東京?大阪)が13480円から14050円(+4.2%)、都バスが160円から200円(+25%)、朝日新聞購読料1カ月が2800円から3925円(+40%)に値上がりしています。本はまさにデフレ価格なのです。
 本は、文学作品など人間の知的創造物を本という媒体に載せて伝達するわけで、価格は著者の印税や印刷製本などの生産費に一定のマージンを加えて算出されています。小説や論文そのものに値付けをしているわけではありません。読者に人気の文学作品などをみれば、人気があるほど定価が安くなる傾向があります。

 ポイントカードはせいぜい3%から5%くらいなのだから、読者サービスでいいんじゃない?

 1998年ころ東京の神田駅近くに進出した全国チェーン書店が当時もっとも値引き率の高い5%のポイントカードを始めました。近くの小さな書店さんたちも対抗上、やむなくポイントカードを始めました。どうなったかといいますと、小さな書店さんは続けられなくなってお店を閉めてしまいました。その後、大きな書店も撤退してしまい、地域の読者にとって不便な結果となりました。もともと書店のマージンはとても少なく、とくに小さな書店さんほど不利なのです。

 ポイントカードに出版業界が反対しているのはわかったけど、公正取引委員会はどう考えているの?

 公正取引委員会は、ポイントカードは値引きにあたると判断しています。しかしポイントサービスによる値引きが再販契約違反するかどうかは、出版社が判断し、契約当事者間で解決しなさいとしています(大脇雅子参議院議員の質問主意書に対する2001年(平成13年)7月31日付小泉首相の答弁書)。しかし、お楽しみ程度といえる1%程度のポイントサービスについてまで、再販契約に違反する値引きだといって出版社が止めさせようとするのは、消費者利益に反するので問題だとしています。
 長期の出版不況のなかで一般書店は、0.2〜0.3%程度の営業利益しかなく(「2012年書店経営指標」日販調べ)、街の小さな書店になるほど営業利益で赤字(売上5000万円未満だと−2%の赤字=トーハン調べ)です。1%のポイントサービスすらできないのが現状です。ポイントサービスをしている全国チェーンの書店でもほとんどは1%です。

 アマゾンのポイントサービスをなぜ問題にするの?

 アマゾンの「Amazon Studentプログラム」は、対象を学生に限定にしていますが、そのポイントは10%という高率です。これがすべての読者に拡大すると書店への影響は決定的になります。すでに書店間のポイントサービス合戦を誘発しつつあります。出版不況で書店数も減り続け、ピークの2000年12月の2万3776店から倒産廃業が続き約4割減少し2013年5月には1万4241店となっています。いくつもの有名全国チェーンが経営危機になり、印刷資本や取次店の傘下になるくらいです。
 アマゾンは、一般書店、ネット書店のなかでトップの売上高をあげていることは確実で、その影響は大きなものがあり、10%ポイントカードは、日本の書店に壊滅的影響を与えることは必至です。
 アマゾンには、トップ企業としての社会的責任として、再販契約のルール、業界ルールを守ってもらいたいと思います。

 自由競争なのだから、強いところが勝つのが当たり前だし、読者としては安く手に入るに越したことはないんですけど。

 業界紙によると最近、紀伊國屋書店の社長さんや大手出版社などが加盟する日本書籍出版協会が、「アマゾンは消費税も法人税も払っていない。一般書店は両方支払っている。これでは不公平で、競争に成らない」と問題にしています。競争はあくまで公平で公正なルールのなかで行われるべきではないでしょうか?

 ポイントカードが広まることは読者にとってはいいことばかりだと思います。何か損になるのですか?

 ポイントカードが広まると、書店は値引きの経済的負担を出版社に求めるようになることは必至です。それらの負担分が価格に転嫁され本の値段が上がってしまいます。これでは、読者=消費者の利益にならないと思います。
 しかもポイントカードによる値引きが蔓延すると、定価販売という再販制度が事実上不要ということになってしまいます。定価販売がなくなれば、当然、値引きされることを前提に表示価格(カバープライス)は高く設定されることになると考えるのが自然です。
 価格の問題にとどまらず、売れない専門書などは市場原理で値段を叩かれるなどの事態が起こり、ますます出版がしにくくなり、出版文化の要ともいえる出版物の多様性が失われて、知識や文化の伝播機能が低下してしまう恐れがあります。現在でも、新古書店やネット書店でのユーズド本の流通、図書館貸し出しの増大、不正コピーの横行など複合的な要因による出版不況の長期化で、出版社はピークの 1997 年4612社から2013年には3676社へと、2割が消えてなくなりました。ここに再販制度の崩壊が加われば出版社数はさらに減少するでしょう。これでは、わが国の出版文化を支えてきた本の多様性を守ることは困難になります。
 目先のポイントによる値引きをとるか、全国同一の安定した値段と出版物の多様性をとるか、本当はどちらが得なのでしょうか? 私たちはもちろん、後者こそが本来の「読者利益」であると思うのです。

 私たち一般社団法人日本出版者協議会は、再販制度を守るためにポイントカードに反対しています。また自分たちの発行する本はポイントカードの対象から外すよう求めています。ぜひご理解ください。

(2013年 8月28日)


最新出荷情報


4月23日発売予定

イタリアの協同組合

アルベルト・イァーネス[著]佐藤紘毅[訳]
四六判上製/232頁/2200円
ISBN978-4-8461-1330-8 C0031


3月18日発売予定

この身が灰になるまで─韓国労働者の母・李小仙の生涯

呉道[著]村山俊夫[訳]
四六判並製/272頁/2000円
ISBN978-4-8461-1404-6 C0031


3月7日発売

原発は滅びゆく恐竜である─水戸巌著作・講演集

水戸巌[著]
A5判上製/328頁/2800円
ISBN978-4-8461-1403-9 C0036


1月16日発売

原発の底で働いて─浜岡原発と原発下請労働者の死

高杉晋吾[著]
四六判上製/216頁/2000円
ISBN978-4-8461-1402-2 C0036


1月16日発売

世界の環境問題 第9巻 中東・アフリカ

川名英之[著]
四六判上製/548頁/3800円
ISBN978-4-8461-1401-5 C0336


12月19日発売

なぜ遺伝子組み換え作物に反対なのか─「セラリーニ事件」は転換点となるか

ジャック・テスタール[著]林昌宏[訳]
四六判並製/108頁/1200円
ISBN978-4-8461-1324-7 C0036


12月13日発売

四十年パリに生きる─オヴニーひと筋

小沢君江[著]
四六判並製/272頁/2000円
ISBN978-4-8461-1325-4 C0095


11月28日発売

万人坑を訪ねる─満州国の万人坑と中国人強制連行

青木茂[著]
四六判上製/296頁/2500円
ISBN978-4-8461-1323-0 C0031


11月19日発売

原発大国とモナリザ―フランスのエネルギー戦略

竹原あき子[著]
四六判上製/208頁/2200円
ISBN978-4-8461-1322-3 C0031


11月6日発売

歴史物語り 私の反原発切抜帖

西尾漠[著]
四六判上製/232頁/2000円
ISBN978-4-8461-1321-6 C0036


9月25日発売

鉄の壁[第二版][下巻]─イスラエルとアラブ世界

アヴィ・シュライム[著]/神尾賢二[訳]
四六判上製/556頁/3500円
ISBN978-4-8461-1318-6 C0031


9月16日発売

変貌する世界の緑の党─草の根民主主義の終焉か?

E・ジーン・フランクランド/ポール・ルカルディ/ブノワ・リウー[著]/白井和宏[訳]
四六判上製/460頁/3600円
ISBN978-4-8461-1320-9 C0031


9月9日発売

プロブレムQ&A─遺伝子組み換え食品入門[必要か不要か? 安全か危険か?]

天笠啓祐[著]
A5変判並製/180頁/1700円
ISBN978-4-8461-1319-3 C0336


7月31日発売

東大闘争と原発事故―廃墟からの問い

折原浩・熊本一規・三宅弘・清水靖久[著]
四六判上製/304頁/2500円
ISBN978-4-8461-1316-2 C0036


7月23日発売

日本を壊す国土強靱化

上岡直見[著]
四六判上製/284頁/2500円
ISBN978-4-8461-1317-9 C0036


7月12日発売

危ないリニア新幹線

リニア・市民ネット[編著]
四六判上製/304頁/2400円
ISBN978-4-8461-1315-5 C0036


6月21日発売

隠された携帯基地局公害─九州携帯電話中継塔裁判の記録

九州中継塔裁判の記録編集委員会[著]
四六判並製/304頁/2200円
ISBN978-4-8461-1314-8 C0036


6月13日発売

胎児と乳児の内部被ばく─国際放射線防護委員会のカラクリ

長山淳哉[著]
四六判上製/272頁/2300円
ISBN978-4-8461-1313-1 C0036


6月4日発売

鉄の壁[第二版][上巻]─イスラエルとアラブ世界

アヴィ・シュライム[著]神尾賢二[訳]
四六判上製/584頁/3500円
ISBN978-4-8461-1311-7 C0031


5月16日発売

一台の黒いピアノ…─未完の回想

バルバラ[著]小沢君江[訳]
四六判並製/216頁/1800円
ISBN978-4-8461-1312-4 C0098


5月15日発売

希望を捨てない市民政治─吉野川可動堰を止めた市民戦略

村上稔[著]
四六判並製/200頁/2000円
ISBN978-4-8461-1310-0 C0036


4月19日発売

アレルギーの人の家造り[増補改訂版]─シックハウス・住宅汚染の問題と対策

足立和郎[著]
A5変形判並製/200頁/2000円
ISBN978-4-8461-1309-4 C0336


3月25日発売

虚構に基づくダム建設─北海道のダムを検証する

北海道自然保護協会[編]
四六判上製/328頁/2500円
ISBN978-4-8461-1307-0 C0007


3月22日発売

電磁波・化学物質過敏症対策 [増補改訂版]─克服するためのアドバイス

加藤やすこ[著]・出村守[監修]
A5判変形並製/204頁/1700円
ISBN978-4-8461-1308-7 C0358


3月12日発売予定

調査報道─公共するジャーナリズムをめざして

土田修[著]
四六判上製/224頁/2200円
ISBN978-4-8461-1306-3 C0007


2月18日発売

プロブレムQ&A─性同一性障害と戸籍〔増補改訂版〕[性別変更と特例法を考える]

針間克己・大島俊之・野宮亜紀・虎井まさ衛・内島 豊・上川あや[著]
A5判変並製/216頁/1800円
ISBN978-4-8461-1304-9 C0336


2月15日発売

環境教育とは何か─良質な環境を求めて

岩田好宏[著]
四六判並製/232頁/2000円
ISBN978-4-8461-1305-6 C0036


2月8日発売

プロブレムQ&A─「解雇・退職」対策ガイド〔三訂増補版〕[辞めさせられたとき辞めたいとき]

金子雅臣・小川浩一・龍井葉二[著]
A5判変並製/334頁/2200円
ISBN978-4-8461-1303-2 C0336


2月5日発売

チェルノブイリ人民法廷

ソランジュ・フェルネクス[編]竹内雅文[訳]
四六判上製/408頁/2800円
ISBN978-4-8461-1301-8 C0036


1月31日発売

コリンズとラインの微生物学実験法[第8版]

C. H. コリンズ、パトリシアM. ライン、J. M. グランジ、J. O. ファルキンハムV[著]、本庄重男、新井秀雄、長島功[訳]
A5判上製/824頁/9500円
ISBN978-4-8461-1302-5 C3047

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