書誌情報

ドキュメント チェルノブイリ【新装版】

松岡信夫[著]
四六判上製/382頁(グラビア16頁)/2500円
ISBN978-4-8461-1107-6 C0036

 「私たちはどこか別に部屋が欲しいとか、お金が欲しいなどと言いに来たのではないのです。この3カ月間、放射能のことが心配で心配で、もうすっかり疲れ果ててしまったのです……」
 チェルノブイリ原発からわずか29 キロの町コマリンからやって来た女たちの悲痛な訴えに、白ロシア共和国保健次官は返す言葉もなかった。
 本書は、チェルノブイリ原発から2 年、当時のソ連体制下の報道管制によって情報が極めて少ないなかで、現地紙をはじめとするソ連国内の各紙誌を原資料に、事故の全過程、深刻化する健康影響など事故の全貌を明らかにした労作。
 そして2011 年3 月11 日、日本が同じ道を辿りはじめた。(2011.4、旧版1988.8)


■内容構成
第1章 原子炉暴走
 実験準備/化学部隊訓練基地で/原子炉暴走/炎と放射能の中で/化学部隊出動せよ/政府委員会を設置/避難/「原発で事故が発生した……」
第2章 魔の明り
 魔の明りを消せ/留学生カレンの不安/さようならキエフ/再爆発を回避せよ/記者会見/日に見えない敵
第3章 汚染地域
 衣服を洗って下さい/今日のレベル知ってるかい?/要注意地帯/芝生も花だんもなくなった
第4章 モスクワ第六病院
 グイル博士とグシコーヴァ博士/医師団のたたかい/急性放射線障害
第5章 「幽霊」たちの除染作業
 「幽霊」/サモイレンコの決断/もう時間だ
第6章 試される人びと
 消えた子どもたち/心の傷/心貧しき人/避難民の苦境/三〇キロ・ゾーンの犯罪/後たたぬ略奪
第7章 コマリンから来た女たち
 ある投書/ミンスクに広がる不安/コマリンから来た女たち
第8章 英雄神話
 詩「人間」/私は自由な小鳥/麦わら帽子をかぶった仔牛
第9章 水汚染とのたたかい
 飲料水を守れ/はてしない悪循環/ポレーシェを堰き止める/川底の放射能を捕える
第10章 石棺建造
 原子炉の埋葬/石棺/最も困難な時期は過ぎ去った
第11章 スケープゴート
 事故総括/異端尋問/政治的断罪
第12章 傷ついた大地
 食品汚染への不安/土壌汚染と実験室/食品の安全検査
第13章 ドニエプルよ永遠に
 ドニエプル川/生態系への影響/心配な春の氾濫
第14章 建設続行か中止か?
 コヴァレフスカの告発/ずさんな原発建設工事/中止された第三期工事
第15章 過大な原子力計画
 事故後の原子力計画/ソ連ヨーロッパ地域のエコロジー的限界/事故再発の危険性
第16章 避難民たちの冬
 厳寒の中で/苦痛と忍耐
第17章 三〇キロ・ゾーンの内側で
 畑に出る時は……/特別配慮地帯の現実/二年後もなお
第18章 ホイニキの住民集会
 消えない不安/政府保健チームの安全宣言/まじめくさった道化役
第19章 埋葬されたカメラ
 シェフチェンコ監督の死/真実を知らせるために
第20章 刑事裁判
 判決/裁判の反響/裁かれるべきは何か
終 章 二年後の春
 「不思議な森」の噂/ペレプラグナヤの平和/日曜日は火曜日に始まる/公然化した原発論争/レガソフの自殺/欲しいのは生きた水/五月の希望

チェルノブイリ原発事故関係日誌〔1986.4〜1988.4〕
補遺1 レオニード・イリイン医学アカデミー副総裁の説明
補遺2 「チェルノブイリ原発事故の医学的側面」国際会議
補遺3 キエフ会議の討論から
補遺4 放射線状況の広報について

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