●電磁波問題を考える


告発・電磁波公害

松本健造著
四六版並製 296頁 1900円
ISBN978-4-8461-0714-7 C0036
 電磁波が健康に及ぼす危険性については、世界的に研究が盛んだ。世界保健機関(WHO)の
超低周波電磁波(送電線、電気製
品など)の新指針も発表され、慢性曝露の危険性が指摘された。欧米では電磁波問題の報道も多く、規制が強化されている。ところが、日本では問題を指摘する報道は極めて少なく、政府の規制はおざなりで、野放し状態といえる。しかし現実には、電磁波過敏症がますます増加し、職場では労災問題を引き起こしている。WHOの委託で始まった日本の超低周波の健康影響についての疫学調査は、小児白血病のリスクが高まるとの衝撃的な内容から、政府によって葬られてしまう……。
 本書は、電磁波問題を追い続けたジャーナリストが、誰も書かなかった真実を告発する渾身のルポ。(2007.9)

[目次]

まえがき〜「ゆでがえる」になるまえに 3

第一章 現場からの報告、その一(超低周波編) 15
瀟洒なマンションに潜む恐怖、階下の電気室で記憶障害 16
何も知らずにマンション購入・16/寝室の下に関電の変電装置が・20
送電線下から脱出、自宅を引っ張る 25
送電線の下で電磁波過敏症に・25/健康が優先だ・33
白血病から生還した少年、高圧送電線下で 36
子供が小児白血病に・36/突然の高圧送電線の撤去・40
配電線の下で、電磁波過敏症になった一家 43
ここにいたら殺される・43/電磁波の影響について真実を伝えてほしい・45

第二章 現場からの報告、その二(電磁波過敏症) 49
電磁波過敏症と闘う、前橋の主婦の場合 50
シールドクロスを巻いて・50/夫の看病で電磁波過敏症に・55
携帯電話の中継基地局の恐怖、伊那市の塩田さん一家を襲った異変 58
巨大化したタンポポ・58/電磁波の届かない山間地へ・62
携帯電話のタワーの恐怖、電磁波シールドの家を建設した一家 65
植物に異変が・65/「電磁波難民」・70
電車に乗れない人々、車内に電磁波が充満 76
車内で増幅される電磁波・76/歯のアマルガムで電磁波過敏症に・81

第三章 現場からの報告、その三(労働現場) 85
のろわれた図書館、盗難防止装置で体調不良が続発 86
原因不明の体調不良に・86/組合が動く・90
電磁波で初の労災申請、鈴木さんの場合 93
電磁波研究で病気に・93/電磁波で初の労災申請・96
職場の電磁波、一〇〇ミリガウスを超す電磁波に包まれたオフィス 101
慢性疲労症候群・101/オフィスの悲劇・106
過酷な労働現場の電磁波問題、棚上げされた実態報告書 109
明らかになった労働現場の過酷な実態・109/報告書を棚上げに・115

第四章 空白の二五年、日本初の疫学調査の光と陰 119
国内初の小児白血病の疫学調査の波紋、最低評価の影響 120
最低評価で研究打ち切りに・120/最低の評価の影響・122
日本の疫学調査の抹殺はなぜ起きたのか、その第一幕 126
研究つぶし・126/文部省担当者が勝手に書いた「評価結果報告書」・131
日本の疫学調査の抹殺はなぜ起きたのか、その第二幕 134
文科省の評価書はどのように作られたのか・134/「あの研究は絶対に認めない」・138
国際雑誌に掲載、再び高い評価 144
国際的なガン専門誌が高い評価・144/小児脳腫瘍の研究にも打撃・148
「くさいものにふた」の文科省、雑誌つぶしの前歴 150
「つぶすと言ったことはない」・150/「廃刊のおわび」・153

第五章 疫学調査とは何か、欧米と日本の違い 157
疫学重視のイギリス、官民一体で送電線対策 158
送電線から両側六〇メートルの住宅や学校などの新築禁止・158/九州での疫学調査でもリスク確認・162
わが国初の疫学調査、明治の陸海軍の脚気論争 165
イギリスのコレラ事件・165/軍艦上の比較対照試験・169/陸軍は脚気で多数の戦没者・172
水俣病の疫学調査の挫折とその教訓 175
熊大の疫学調査で原因を特定・175/無視された疫学調査・177
疫学調査の勝利、スモン病の場合 180
キノホルム原因説のきっかけ・180/椿教授の疫学調査・182
使われない伝家の宝刀、労働安全衛生法の疫学調査の規定 185
国は職権で職場の疫学調査ができる・185/EUの電磁波指令・188

第六章 電磁波から自衛へ 191
呪われた町で闘う、群馬県館林市の住民グループ 192
低い鉄塔の周りで異変が・192/住民の要望で鉄塔建て替え・195
三つ編みの電線で磁界を大幅カット、藤沢市の会社員の場合 199
テレビの画面が揺れる・199/「ケーブルの三つ編み化」で電磁波は劇的に低減するが……・203
屋内配線の恐怖、マンション床下や天井から強力な電磁波 206
三路スイッチの落とし穴・206/規制なく野放しの屋内配線・209
電磁波カットの電気製品の開発に新しい動き 213
電磁波カットの電気毛布・213/欧米で電磁波カット対策が電気製品の性能の新基準に・217
電磁波対策、送電線にも三つ編みが登場 219
三つ編みの高圧送電線・219/地中化より効果が・222

第七章 予防原則へ向けて 225
ワルトハイマー論文の衝撃から二八年、WHOが予防原則を勧告 226
電磁波のWHO新環境保険基準・226/ワルトハイマーの先駆的研究・228/予防原則による対策が始まる・232
WHOも認めた日本の疫学調査、新基準で詳細に紹介 234
WHOの新環境保健基準に影響を与えた日本の疫学調査・234/WHOの評価・236
メラトニンと電磁波、WHOの新基準で「不都合な真実」が明らかに 241
乳ガン促進のメラトニン仮説を立証した石堂研究員・241/封印された電力中央研究所のヒヒの研究・244

資 料 225
「電磁波を規制するWHOの新環境保健基準」(EHC二三八)の?要約部分? 252
第一章 要約と今後の研究への勧告・252/一・一 要約・253/一・一・一 発生源、線量測定、曝露・253/一・一・二 体内の電場と磁場・255/一・一・三 生物理学的メカニズム・257/一・一・四 神経的行動・260/一・一・五 神経内分泌システム・262/一・一・六 神経退行的不調・265/一・一・七 心臓血管系の不調・265/一・一・八 免疫学と血液学・266/一・一・九 生殖と発達・267/一・一〇 ガン・268/「疫学」・268/「実験動物の研究」・269/インビトロ(試験管内)研究・271/「全体的な結論」・271/一・一・一一 健康リスク評価・272/「急性影響」・273/「慢性影響」・273/一・一・一二 防御対策・274/一・二 研究への勧告・277/一・二・一 発生源、測定、曝露・278/一・二・二 線量測定法・279/一・二・三 生物理学的メカニズム・280/一・二・四 神経挙動・282/一・二・五 神経内分泌システム・283/一・二・六 神経退行的不調・283/一・二・七 心臓血管系不調・284/一・二・八 免疫学や血液学・284/一・二・九 生殖と発達・284/一・二・一〇 ガン・285/一・二・一一 防御対策・286/表 これからの研究への勧告・288

あとがき 291

【緑風出版 HomePage へ】