●エコロジーを考える


ウォーター・ウォーズ
――水の私有化、汚染そして利益をめぐって――

ヴァンダナ・シヴァ著/神尾賢二訳
四六判上製 248頁 2200円
ISBN4-8461-0301-3 C0036 TRC MARK ナンバー;未定
「今世紀の戦争が石油をめぐって戦われたものであったとするなら、新世紀の戦争は水をめぐって戦われることになるだろう」――世界銀行総裁のこの予言が示すように、いま欧米の多国籍企業は、ダム建設や水道・潅漑システムからミネラルウオーターまで、世界貿易機関(WTO)などを利用しつつ国際的な水支配、水戦争を仕掛けている。しかし、水の私有化や水道の民営化に象徴される水戦争は、人々から水という共有財産を奪い、農業の破壊や貧困の拡大を招き、地域・民族紛争と戦争を誘発し、地球環境を破壊するものだ。世界的に著名な著者が世界の水戦争を分析し、水問題の解決の方向を提起する。(2003.3)

Preface
はじめに
水戦争/平和のエコロジー 

Introduction 潤沢から欠乏への転換
水のエコロジー/産業植林と水の危機/ユーカリと渇水 鉱山と水の危機/干ばつは天災ではない/管井と動力ポンプ/共同体の権利と集団経営/エコロジーの民主主義

Chapter One 水利権――国家、市場、コミュニティ
自然の権利としての水利権/川岸所有者権カウボーイ経済学――早い者勝ち主義と民営化の登場/現代のカウボーイ経済/共有財産としての水/共有権の悲劇共同体と共有権/地域社会の権利と水の民主主義/浄水権対汚濁権/新旧の巨大公害企業/水の民主主義の原則  

Chapter Two 気候変動と水の危機
水の不法行為としての気象の不法行為/オリッサの巨大サイクロンは人災である/マングローブの破壊/洪水とハリケーン/干ばつ、熱波、氷河融解 

Chapter Three 川の植民地化――ダムと水戦争  
公共の負担と民間の利益――アメリカ西部のダム/現代インドの寺/大ダムと水紛争/ダムと強制退去――インドの場合/世界の立ち退き事情/河川水路の変更と水戦争/水のジハード/イスラエルと西岸地区/ナイル川をめぐる紛争/水の国際規則 

Chapter Four 世界銀行、WTO、企業の水支配  
世界銀行――企業の水支配のための道具/官民協力――水私有化のための国際援助/WTOとGATS――水の輸出/WTOとGATS――事実と虚構/新しい協定、古い計画/水の巨人 大いなる渇き/企業対市民――ボリビアの水戦争  

Chapter Five 食物と水  
工業的農業と水の危機/持続不可能な農業――水の浪費と破壊/遺伝子組み換え作物による水問題の解決、という神話 

Chapter Six 不足から豊穰への転換
砂漠に花を咲かせる/先住民の水管理/分権化された水の民主主義/持続性のための人々の選択  

Chapter Seven 聖なる水
聖なるガンジス/エコロジーの伝説/キリスト教と聖なる水/水の「価値」が意味するもの

付録ガンジス川の百八個の名称
原注
訳者あとがき

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